『伊勢物語』の歌から、その段を探します。
[あ]
*飽かなくにまだきも月の隠るるか 山の端逃げて入れずもあらなん
[71]☆八二段
*鶯の花を縫うてふ笠は否(いな) 思いを点けよ干して返さん
[110]☆一二一段
*老いぬればさらぬ別れのありと言えば いよいよ見まく欲しき君かな
[73]☆八四段
*思う事言わでぞただに止みぬべき 我と等しき人しなければ
[110]☆一二四段
[か]
*数々に思い思わず問い難み 身を知る雨は降りぞ勝れる
[96]☆一〇七段
*から衣きつつ慣れにしつましあれば はるばる来ぬるたびをしぞ思う
[9]☆九段
*君や来し我や行きけむ思ほえず 夢かうつつか寝てか醒めてか
[62]☆六九段
*栗原の姉歯の松の人ならば 都のつとにいざと言わましを
[13]☆一四段
[さ]
*咲く花の下に隠るる人を多み ありしに勝る藤の陰かも
[90]☆一〇一段
*白玉か何ぞと人の問いし時 露と答えて消えなましものを
[6]☆六段
[た]
*千早振る神世も聞かず龍田河 唐紅に水括るとは
[95]☆一〇六段
*終に行く道とは兼ねて聞きしかど 昨日今日とは思わざりしを
[111]☆一二五段
*月やあらぬ春や昔の春ならぬ 我が身一つは元の身にして
[4]☆四段
[み]
*陸奥の忍ぶ文字摺り誰ゆえに 乱れ初めにし我ならなくに
[1]☆一段
[や]
*世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心は長閑けからまし
[71]☆八二段
[わ]
*我が上に露ぞ置くなる天の川 門(と)渡る船の櫂の雫か
[52]☆五九段
|