(閑話休題) ビリーホリデイがレスターヤングの演奏で小気味よく歌います。1937年の曲です。20年代、30年代初頭のジャズ曲よりも小粋にできてる、新しいジャズだったんですね。意外に新しく、でも、ジャズがしっかり生きている、クラシックなジャズを、若いビリホリが丁寧に歌ってくれます。しかも時代はもう、どうしようもない、悲劇的なことになり、破局(第二次世界大戦のこと!)に近づいているのにです。少しだけ、懐かしい昔を思い出す時間をもらい、何かを避けようとした、目を瞑って、衝突の瞬間を何とかしようとしていた時代でした。 (訳詩ノート) 初めのバースの部分も聴いてみたいですね。「Foolin' Myself」は、英語ではそういう言い方で済むんですけど、日本語では、言い方で、その意味を拾いました。「うそ」というだけではちょっと違う、そんな、持って回ったような気持ちの遊びを楽しむ余裕は、なかなかないかも知れません。 (歌唱のポイント) 「こんにちは、おばかさん」のところを、小粋に歌い澄まして通り過ぎることができればいいですね。でも、歌っているのは、よく分かることだけなので、普通に、今の自分のことを、人に話して、自分は分かってる、って言ってるんです。 |